愛染明王の霊験「無病息災」「増益」「敬愛」「降伏」「鈎招(福神を招く)」「延命」
良縁成就や結婚成就・夫婦円満においては仏教神の中では最強最高と誰もが認め
その手に持たれた弓と矢で愛のキューピットのように人と人、心と心を結び付けます
愛染明王の名は愛欲染着が名前の由来です。
人々が持っている性欲に執着する心こそ金剛薩たの浄菩提心と同じである。(煩悩即菩提)
愛欲をむさぼる心(愛欲貧染)を金剛王菩薩の浄菩提心の境地(三昧)にまで高めます。
愛染という名前のとおり、愛情・情欲をつかさどり、愛欲貪染をそのまま浄菩提心(悟りの心)にかえる
力をもち、煩悩即菩提を象徴した明王です。
人間にはさまざまな欲望がありますが、この欲望は人間には滅亡へとかりたてる力を持つとともに、
時には生きて行くうえでの活力源となり、より多くのものを可能にし、高める力を持っています。
この両刃の剣である力強い欲望の工ネルギーを、悟りを求め自らを高めようとする積極的なエネルギーに浄化しよう
というのが愛染明王の教えです。
『金剛峯楼閣一切瑜伽瑜祇経(こんごうぶろうかくいっさいゆがゆぎきょう)』
愛染王品第五
三世三界中一切無能越 此名金剛王頂中最勝名 金剛薩た定一切諸佛母
※三界とは、欲界・色界・無色界(仏教におけるこの世の世界すべて)のこと、
そして三世とは過去・現在・未来の三つの世界
「三世三界中で何者もこの明王を越えることができない。 その名(金剛薩た)は金剛王の中の最高位である。
金剛薩たは、すべての仏の母であるに違いない。」
<愛染明王の12の御誓願>
・ 智慧の弓、方便の矢を以って愛敬を与え幸運を授けよう。
・ 悪心を加持して善果を得せしめよう。
・ 三毒の煩悩を破って浄い心を起こさしめよう。
・ 諸々の邪見驕慢の心を離れて正しい心に住せしめよう。
・ 諸人との争いの縁を断って一生平和に送らせよう。
・ 諸々の病苦と天災の難を去って天寿を全うさせよう。
・ 貧弱飢渇の苦を除いて無量の福徳を与えよう。
・ 悪鬼邪神の厄を払って安穏快楽ならしめよう。
・ 子孫の繁栄と家運の増長を守って福緑を断たせまい。
・ 前世の悪業の報いを清めて後生は浄土に生まれしめよう。
・ 女人には愛を与えて良縁を結ばしめ善児を授けん。
・ 女人にはお産の苦しみを免れしめ、生まれた子には福徳愛敬を授けん。
注:三毒を構成する煩悩
貪(とん):貪欲(とんよく)ともいう。むさぼり(必要以上に)求める心。
和文では「欲」・「おしい」・「むさぼり」と表現する。
瞋(しん):瞋恚(しんに)ともいう。怒りの心。「いかり」・「にくい」と表現する。
癡(痴・ち):愚癡(ぐち)ともいう。真理に対する無知の心。「おろか」と表現する。
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